エピソード
「西の富士、東の筑波」と並び称された関東の霊峰。男体山と女体山の二つの峰そのものが神体とされ、山腹の筑波山神社は縁結びの神として古くから信仰を集めてきた。ガマの油売りの口上で知られる山でもあり、山中には奇岩怪石が連なって、昼間から独特の神さびた空気をまとっている。
心霊の噂が語られるのは主に夜の山道である。つづら折りの登山道路で白い人影を見た、前を走る車のテールランプが急に消えた、駐車場で誰もいないのに声を聞いた、といった話が語られてきた。かつて夜の峠道として走り屋が集まった歴史があり、事故の記憶が噂に重なっている面もある。霊峰の夜道には「山の神の領域に入る」という古い感覚が今も残っているのかもしれない。
昼間はケーブルカーとロープウェイで気軽に登れる観光の山で、山頂からは関東平野が一望できる。夜景の名所でもあるが、夜の山道は照明が少なくカーブも多い。神の山であることを頭の隅に置いて、運転は慎重に。