エピソード
東京都八王子市の山中に残る、戦国大名・北条氏照の居城跡。1590年、豊臣方の大軍に攻められ一日で落城したと伝わり、このとき城内にいた婦女子や兵たちが御主殿の滝周辺で命を落とした、滝は三日三晩赤く染まったという伝承が残る。国の史跡であり、都内有数の「歴史そのものが怪談の源になっている」場所といえる。
語られる噂は落城伝承と強く結びついている。すすり泣くような女性の声を聞いた、鎧武者のような人影を見た、御主殿の滝付近で写真に異変が写った、夜間に山道で足音がついてくる、といったものが代表的だ。毎年落城の日に供養が行われていることもあり、地元では単なる肝試しの場ではなく慰霊の場として扱われている。
現在はガイダンス施設が整備され、昼間は歴史散策やハイキングの人気コースである。本丸跡までは本格的な山道で、夜間の入山は心霊云々の前に遭難・滑落の危険が大きい。訪れるなら昼間に、史跡と慰霊の場であることへの敬意を持って歩きたい場所である。