エピソード
西都市の台地に広がる、300基を超える日本最大級の古墳群。誰が眠るのか確かめられていない古墳が大半で、中でも「鬼の窟」と呼ばれる横穴式石室を持つ古墳には、鬼が一夜で築いたという伝説が残る。コノハナサクヤヒメの陵墓と伝えられる古墳もあり、台地全体が「古代の死者の都」である。
語られる噂は、夜の古墳台地で人影を見た、鬼の窟の石室で声を聞いた、誰もいない台地で視線を感じた、といったもの。千数百年前の死者たちが数百基の墳丘に眠る土地なのだから、夜の台地に何かを感じるのは自然なことかもしれない。
春は菜の花と桜、秋はコスモスが古墳を埋め、昼間は県内有数の花の名所である。考古博物館も充実しており、古代の死生観に触れる場所として一級である。石室への立ち入りは定められた範囲で。