エピソード
日本海に突き出た柱状節理の大断崖。輝石安山岩の柱状節理としては世界有数の規模で、国の名勝・天然記念物に指定された北陸随一の景勝地である。名の由来には伝説がある。平泉寺の悪僧・東尋坊が恋の遺恨から酒宴の席でこの崖から突き落とされ、以来49日間海が荒れ続けた――。崖の名はこの僧の名であり、命日とされる日に海が荒れると今も語られる。
その高さゆえに悲しい出来事が語られてきた場所でもあり、地元では長年、崖を見回り声をかける活動が続けられている。噂として、夕暮れの崖に人影が立っていた、波音に声が混じった、という話が語られるが、この崖に必要なのは怪談よりも、そうした見守りの営みへの理解だろう。
観光遊覧船で海から見上げる断崖は圧巻で、商店街の海鮮も名物である。悪僧伝説の崖は、昼の賑わいの中で楽しみたい。