エピソード
秩父の山中、荒川をせき止めた二瀬ダムによって生まれた人造湖。ダム建設に伴い集落が湖底に沈んだ歴史を持ち、深い山あいの湖は昼でも静まり返っている。湖に架かる吊橋は、埼玉県内の心霊スポットとして特によく語られる場所で、吊橋にまつわる噂が数多く語り継がれてきた。
代表的なのは、夜の吊橋の中央に人影が立っていた、渡っている途中で橋が誰もいないのに揺れた、湖面から視線を感じた、といったもの。山あいの湖は夜霧が出やすく、吊橋の揺れは風でも起きるが、湖底に沈んだ集落の記憶が、この湖の噂に他とは違う重みを与えている。
昼間の秩父湖は新緑と紅葉の名所で、ダム見学と合わせて訪れる観光客もいる。吊橋は老朽化により通行が制限されることがあるため、現地の表示に従うこと。三峯神社への道すがら、車窓から湖を眺めるだけでも、山深い湖の静けさは十分に伝わる。