エピソード
岡山県南部の最高峰・熊山の山頂近くに残る、謎の石積み遺構。三段のピラミッド状に組まれた方形の石積みは奈良時代の仏塔とする説が有力だが、類例がほとんどなく、戴冠石と呼ばれる石や中央の竪穴の用途も含めて、正体は今も確定していない。「岡山のピラミッド」とも呼ばれ、古代祭祀の場、埋葬の場など様々な説が語られてきた。
用途不明の古代遺構という性格ゆえに、山上で不思議な気配を感じた、石積みの前で写真に異変が写った、夜に光が見えた、といった話が語られる。標高500メートルの山頂は霧も出やすく、木立に囲まれた石積みは確かに古代の静けさをまとっている。
登山道と車道があり、日中なら気軽に訪れられる。千数百年前の誰かが、何かの祈りのためにここへ石を積んだ。その「わからなさ」ごと味わう場所である。