エピソード
西日本最高峰にして日本七霊山の一つ。古くから山岳信仰の聖地であり、修験者たちが鎖を頼りに絶壁を登る「鎖場」の行は今も続いている。山開きの夏には白装束の信者が列をなして登拝し、「お山」と呼ばれるこの峰が現役の信仰の山であることを実感させる。
語られる話は、霧の稜線で白装束の人影とすれ違ったが振り返るといなかった、天狗岳の岩峰に人が立って見えた、山中で法螺貝の音を聞いた、といったもの。霊峰の噂は恐怖よりも「山の神威」として語られるのが特徴で、遭難者の記憶と重なって語られることもある。
ロープウェイと登山道が整備されているが、鎖場や山頂付近は本格的な山である。信仰の山への敬意と、山の危険への備え。その両方を持って登るべき、西日本の最高峰である。